よくある質問 12問
テイクアウトの消費税 Q&A
飲食店・小売店から実際に出てくる質問を、国税庁のQ&Aと条文をもとに整理しました。 個別の事例は49件の一覧、判定の骨格は判定の原則にあります。
テイクアウトは8%、店内で食べると10%。なぜ同じ商品で税率が変わるのですか?
軽減税率8%の対象は「飲食料品の譲渡」、つまり商品を渡す取引です。店内で食べてもらう行為は「食事の提供」という役務(サービス)にあたるため、飲食料品の譲渡から除かれ、標準税率10%になります。売っている物ではなく、取引の中身で分かれます。
同じ弁当でも、持ち帰りなら譲渡で8%、その場で食べてもらえば食事の提供で10%です。
8%か10%かは、いつの時点で判断するのですか?
商品を提供する時点(レジで代金をもらう時点)で判断します。客に「お持ち帰りですか、店内でお召し上がりですか」と意思確認し、その答えに沿って税率を決めるのが実務です。
持ち帰ると答えた客が、その後に気が変わって店内で食べたとしても、提供時点の判断をさかのぼって直す必要はないとされています。
客への意思確認は、必ず一人ずつ声をかけないといけませんか?
声かけに限りません。店内飲食と持ち帰りのどちらか判別できればよく、「イートインをご利用の方はお申し出ください」といった掲示による確認でも差し支えないとされています。
大切なのは、店として判別する仕組みがあることです。何も置かずに全部8%で処理する運用は認められません。
コンビニのイートインスペースで食べる場合はどうなりますか?
条件次第です。イートインスペースは飲食設備にあたるため、そこで食べる意思を示した客への販売は10%、持ち帰る客への販売は8%です。店側は掲示などで意思確認をしておく必要があります。
ホットスナックや弁当など、その場で食べられる状態の商品はとくに確認が必要とされています。
席のない屋台・キッチンカーは何%ですか?
テーブル・椅子・カウンターなどの飲食設備をまったく置いていない屋台や移動販売は、飲食料品の譲渡として8%です。反対に、自前でテーブルや椅子を出していれば、そこで食べる客への提供は10%になります。
近くの公園のベンチのように、店が設置したのでも管理しているのでもない設備で客が勝手に食べる場合は、飲食設備とはされません。
出前・宅配ピザは8%、ケータリングは10%と聞きました。違いは何ですか?
そばの出前や宅配ピザのように、作った料理を届けるだけなら飲食料品の譲渡で8%です。届け先に出向いて給仕・配膳などの役務まで行う場合(出張料理・ケータリング)は、その場で飲食させる提供として10%になります。
境目は「運んで渡すだけか、現地でサービスまで行うか」です。届け先で味噌汁を器に取り分ける程度は、盛り付けの範囲として8%とされています。
持ち帰り用の容器代・割り箸・保冷剤にはどの税率がかかりますか?
持ち帰りのために通常必要な包装・容器は、飲食料品の譲渡に含まれるものとして8%で扱います。割り箸・スプーン・おしぼり・ストローを無償で付ける場合も、商品の対価に含まれるため8%です。
容器代を別建てで客から受け取る場合は、その容器の譲渡として10%になります。装飾用の重箱など、それ自体に販売価値のある容器も別扱いです。
食品とおもちゃのセット商品(一体資産)はどう判定しますか?
食品と食品以外があらかじめ一体で、一つの価格しか提示されていない商品を一体資産といいます。税抜価格が1万円以下で、かつ食品の価額の占める割合が3分の2以上なら、全体が8%です。どちらかを外れると全体が10%になります。
割合は、原価など合理的な方法で店が計算します。1万円以下の判定は、原則としてその一体資産1個あたりの価格で見ます。
お酒は軽減税率の対象になりますか?
なりません。酒税法上の酒類は軽減税率の対象となる「飲食料品」から除かれているため、持ち帰りでも10%です。
ノンアルコールビールや甘酒は酒類にあたらないため飲食料品として8%、みりん・料理酒は酒類にあたるものが多く10%です。度数や品目で分かれるので、商品ごとに確認してください。
店内価格と持ち帰り価格は、どちらかに統一してもよいですか?
統一しても構いません。税率が違う以上、税込価格をそろえると本体価格が変わりますが、それ自体は禁止されていません。税抜価格を統一し税込で差が出る形も、税込価格を統一する形も、どちらも取り得ます。
ただし、どの価格が何を指すのかが客に分かるように表示してください。一つの値札に税込価格を併記する方法が一般的です。
食べ残しを折り詰めにして持ち帰ってもらう場合は8%ですか?
10%です。店内で提供した時点で「食事の提供」として取引が成立しているため、その後に残りを持ち帰っても、提供時の税率は変わりません。
最初から持ち帰り用に調理して渡すものとは区別されます。
社員食堂・学生食堂・病院食はどうなりますか?
社員食堂・学生食堂での食事の提供は、飲食設備のある場所で飲食させる役務にあたるため10%です。一方、病院で患者に出す入院時食事療養費にかかる食事は、消費税そのものが非課税(課税対象外)です。
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅で入居者に出す食事は、一定の金額の範囲内であれば8%になる特例があります。
出典:国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」平成28年4月(令和8年4月改訂)
回答は一般的な考え方の整理です。設備・掲示・契約内容など個別の事情で結論が変わることがあります。 最終的な税務判断は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。